第1回 「組織が継続的、長期的に成果を出し続ける原動力とは?」(後半)

先日の(前半)に続いて、
今日は月刊人事マネジメントのコラム第1回をご紹介します。
※まだ前半を読んでない!という方はこちら
※http://jaic-7habits.com/archive-column/20131101.html
先ほどご紹介したD社の社長は人間力、
つまり考え方の教育を「まっとうなOSのインストール」と仰っています。
D社は元々社員教育に力を入れており、技術研修はもちろん、
礼儀やマナー、コミュニケーションなどの研修も熱心に行っていました。
しかし、研修をしている中で「なにか違う…」と感じたそうです。
社長の表現を借りると、
「いくらスキル研修をしても、
そもそも人としての在り方が分かってない。
OSがちゃんと動いていない。
OSが動いていないシステムに、
いくらアプリケーションを入れても動くわけがない」
ということです。
システム会社らしい例えですが、その通りです。
組織風土や社風、社員の考え方はOSなのです。
いくら優れたハードウェアを揃えて、高価なアプリケーションを搭載しても、
全体を動かすOSがしっかりしていなければ、コンピュータとして
性能を発揮することはできません。
このOSとアプリケーションという喩えこそ、
考え方、すなわち人間力教育と、スキル教育の関係を示しています。
その一方で、私も自社での実体験を通じて、
「人間力が大事なことははっきりしているが、道徳の授業でもあるまいし、
どう取り組むかが難しい」と仰るKさんの気持ちはよく分かります。
考え方を「体系的に教える」、
そもそも「考え方を教える」というのは非常に難易度が高いものです。
私たちは、今回の連載で紹介する「7つの習慣®」は、
「どうやったら考え方を体系的に教えられるのか」に対する
1つの答えだと確信しています。
ご存知の方が多いと思いますが、書籍『7つの習慣』は
世界で3000万部と最も売れているビジネス書であり、
世界のトップ企業ランキング「フォーチュン100社」の90%以上が
社員教育に導入している、実証された考え方の教育ノウハウです。
「7つの習慣®』は米国のスティーブン・R・コヴィー博士が、
成果を出し続ける個人を研究し、その考え方を原理原則としてまとめたものです。
名前の通り、7つの習慣(考え方)からなりますが、
一方で、7つのバラバラな習慣を列挙したものではなく、
人間力を成長させる「成長の連続体」というフレームワークがその根底にあります。
考え方を教える上でこれは重要なポイントです。
「良い考え方を箇条書きに教えていく」よりも、
「考え方のフレームワークを教えていく」方が効果を発揮するのです。
フレームワークが存在することで、
教え手の力量に依存し過ぎずに質の高い指導ができる、
受講者の記憶に残りやすい、また参加者同士の共通言語となることで、
受講者数が拡大するにつれて、加速度的に組織に教育効果が浸透していくからです。
この連載では、実際に「7つの習慣®」を導入した企業を事例として、
組織風土の課題にどのように取り組んでいくべきかご紹介します。
『7つの習慣』を事例としますが、
そのエッセンスや導入ノウハウは他にも活用できるものですので、
自社の研修プログラムや課題に当てはめて、
取り込めるポイントを見つけていただければ幸いです。
【今回のエッセンス】
・長期的、継続的に成果を出し続けるには目に見えない「考え方教育」が必要
・考え方とスキルは、OSとアプリケーションのような関係
・考え方教育には理解をすすめ、共通言語化させるための「フレームワーク」が重要
(第1回コラム 終わり)