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36協定の見直しをチェック!残業時間上限と特別条項の問題点

36協定の見直し

業務の効率化を図っていても、繁忙期には残業や休日出勤が発生することもあるでしょう。そのため、労働基準法第36条を根拠とした36(サブロク)協定を労使間で締結することが一般的ですが、近年は政府による36協定の見直しが検討されています。今回は、36協定の残業時間上限と特別条項の問題点についてご紹介します。

時間外・休日労働に関する協定届(36協定)

労働に関する協定届(36協定)

労働基準法36条は、社員を法定時間外や法定休日に労働させる場合、労使で書面による協定を締結し、労働基準監督署に届け出なければならないと規定しています。そのため、この「時間外・休日労働に関する協定届」は36協定とも呼ばれます。

36協定が締結された場合、労働基準法で定められた労働時間(1日8時間、1週間40時間)を超えて、1カ月45時間、1年360時間まで労働時間を延長させることが可能です。

厚生労働省労働基準局が発表した「平成25年度労働時間等総合実態調査」によると、36協定を結ぶ事業場の割合は全体で55.2%(大企業94.0%、中小企業43.4%)に達しています。

特別条項付き36協定

1カ月45時間の残業であれば、社員は1日約2時間だけ残業すれば良く、心身にそれほど大きな影響はないでしょう。

しかし労働基準法では、臨時的で特別な事情がある場合(半年以内)に限り、36協定の労働時間の延長上限を超えて労働させることができる「特別条項付き36協定」の締結を認めています

「平成25年度労働時間等総合実態調査」によると、事業場全体の40.5%(大企業62.3%、中小企業26.0%)で特別条項付き36協定が締結されています。

2016年、厚生労働省が36協定の見直し議論に入ったというニュースは大きな話題になりました。議論の焦点となっているポイントは、特別条項付き36協定に新たに設けようとしている、労働時間の延長上限です。

特別条項付き36協定を締結した場合、社員には上限を超える時間外労働に対する割増賃金(割増率2割5分超を努力目標とする)が支払われますが、延長時間の限度は法律で定められておらず、実質的に企業がいくらでも社員を働かせることができる点が問題視されています。

長時間労働と健康・少子化問題

長時間労働と健康・少子化

残業時間が1カ月45時間を超える場合、労働時間の増加とともに徐々に脳・心臓疾患などの健康リスクが高まり、80時間が過労死ライン(労災の認定基準)とされます。36協定の見直しは、政府が掲げる一億層活躍社会実現を目的とした「働き方改革」の一環であり、長時間労働の是正を目指しています。

また、長時間労働が少子化に与える影響も無視できません。今日女性の社会進出が進んでいますが、女性の長時間労働は仕事と家庭の両立を阻む要因の1つです。長時間労働を余儀なくされている男性も家庭参加が難しくなり、育児の負担が女性に重くのしかかります。

サービス残業や持ち帰り残業の懸念も

36協定の見直しが働きやすい環境づくりにつながることが期待されていますが、さまざまな問題点も浮き彫りになってきています。

36協定の見直しによって残業時間の上限を定めた場合、タイムカードに退勤打刻させてから社員を働かせる「サービス残業」や、社内で残業させるのではなく、仕事を自宅に持ち帰って残業させる「持ち帰り残業」なども懸念されています。

おわりに

今回は、36協定の見直しと問題点についてご紹介しました。見直し議論が開始された36協定ですが、長時間労働が常態化している職場においては、サービス残業や持ち帰り残業も懸念されます。

過労死や過労自殺など、労働にまつわる暗いニュースを耳にすることが多い現在は、変化しつつある働き方の過渡期と言えるでしょう。一刻も早い労働環境の改善が期待されます。

出典

平成25年度労働時間等総合実態調査(主な結果)p.5およびp.6 http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/shiryo2.2.pdf