モラハラとは?職場が行うべきモラルハラスメント対策

最近は職場におけるハラスメント対策が求められるようになっています。代表的なハラスメントとしてはセクハラやパワハラが挙げられますが、モラハラ(モラルハラスメント)の対策も欠かせません。
モラハラは職場の雰囲気を悪くするだけでなく、訴訟に発展する可能性もあるため、企業はモラハラ予防に努める必要があります。今回は、モラハラの意味やモラハラが起こった際のリスク、そしてモラハラを防ぐための対策をご紹介します。
モラハラとは

モラハラとは、言葉や態度による嫌がらせや精神的な暴力を意味します。一過性のけんかやトラブルとは異なり、じわじわと被害者の精神をむしばんでいくことが特徴です。最悪のケースでは、肉体的・精神的不調を引き起こすこともあります。
家庭や学校はもちろん、職場でも「無視」「いじめ」といったモラハラは起こります。また、個人的な被害をもたらすだけではなく、仕事の制限、連絡・報告を意図的にしないといった、業務に支障をきたしかねないモラハラもあります。
モラハラは、セクハラ、パワハラと同じ「ハラスメント(嫌がらせ)」の1つです。精神的な苦痛を伴う点では同じですが、モラハラは性的・暴力的な攻撃は少なく、言葉や態度による攻撃という要素が強いハラスメントを指すことが多いようです。
職場でモラハラが起こった際の影響
モラハラが起きれば、社内の人間関係の悪化は免れません。他にも以下のような影響が考えられます。
【影響1】優秀な人材の流出
モラハラの被害者が退職を余儀なくされることも少なくありません。モラハラ被害者が優秀な人材であれば、企業は貴重な戦力を失うことになります。社内の士気が下がり、生産性が低くなります。
【影響2】企業イメージの低下
モラハラの事実が明るみになれば、企業イメージは低下します。顧客離れや取引停止により、経営危機を招く可能性もあります。
モラハラを防ぐための対策

モラハラを防ぐための主な対策として、就業規則にハラスメント禁止を明記したり、相談窓口を設けたりするなどの方法が挙げられます。
【対策1】就業規則などにハラスメント禁止を明記する
モラハラを防ぐためには、周知・啓発だけにとどまらず、企業がいかなるハラスメントも容認しない姿勢を示すことが重要です。まずは就業規則などにその旨を明記することから始めましょう。
最近では就業規則にハラスメント禁止を明記する企業も増えています。平成28年度の「東京都男女雇用平等参画状況調査結果報告書」によると、職場のハラスメントを防止するための取り組みでは、「就業規則等にハラスメント禁止を明記」が最も多く、実施企業の割合は78.2%に上ります。
【対策2】「ハラスメント相談窓口」の設置
社内でモラハラが起こっているにもかかわらず、加害者がモラハラをしていないかのように装っていたり、被害者と上司とのコミュニケーションが不足していたりして、第三者がモラハラの実態を把握しづらい場合が少なくありません。したがって、モラハラを相談しやすい風土の醸成とともに、「ハラスメント相談窓口」の設置が推奨されます。
先ほども紹介した「東京都男女雇用平等参画状況調査結果報告書」によると、ハラスメントに対する取り組みで「就業規則等にハラスメント禁止を明記」に次いで多いのが、「事業所内外に相談窓口・担当者、苦情処理機関等を設置」(68.9%)です。
おわりに
いわゆるブラック企業が劣悪な環境で社員を酷使し、企業イメージをダウンさせているのと同様、職場でのモラハラも自社に対する信用や信頼を失う要因となります。 企業はモラハラをはじめとする社員間のトラブルにいち早く気付き、対策を講じることが求められます。