ストレスコーピングとは?部下にストレス対処法を教えるメリット

職場のストレス対策として有効な方法が、ストレスコーピングです。部下にとってストレスの少ない職場をつくるためには、ストレスの原因を特定し、適切に対処することが重要です。今回は、ストレスが生じるメカニズムとストレスコーピングの方法についてご紹介します。
ストレスコーピングとは?
ストレスコーピングとは、ストレスの原因などを分析し、それに応じて適切な対処を試みるストレス対策法のことです。「コーピング(coping)」には「上手に処理する」という意味があります。ストレスをゼロにしようとするのではなく、ストレスをうまくコントロールしてストレスと共存していく方法ともいえるでしょう。
ストレスは、本人が自覚しないまま、蓄積されていくケースが少なくありません。ストレスを放置してしまうと、業務面にもさまざまな支障が生じてしまうため、社内でストレス対処法に関する情報を共有していく体制づくりが重要です。
ストレスが発生するプロセス
ストレス理論では、「ストレッサーに遭遇→認知→ストレス反応の発生」という順序でストレスが引き起こされると考えます。ストレスの対処法を考える前に、各プロセスについて理解しておきましょう。
1.ストレッサーとの遭遇
ストレッサーとは、ストレスの引き金となる事象のことです。ストレッサーは、「物理的ストレッサー」「化学的ストレッサー」「心理・社会的ストレッサー」の3つに分類されます。
例えば、空調が十分に効いていないなどの職場環境は、「物理的ストレッサー」に該当します。また、上司によるパワハラ、人間関係などの悩みは、「心理・社会的ストレッサー」に含まれるでしょう。
2.ストレッサーの認知
ストレスを抱える環境において、さまざまな面で刺激を受けている状態を把握することが「認知」です。ストレス対策を考える上で、本人がストレスを認知することが欠かせません。
3.ストレス反応の発生
ストレッサーに対する身体的・心理的な症状をストレス反応といいます。ストレス反応は、大きく「身体的反応」「心理的反応」「行動的反応」に分類され、主なものとして以下が挙げられます。
身体的反応
心理的反応
行動的反応
ストレスコーピングの種類とそのメリット

ストレスコーピングには複数の種類があり、それぞれ特徴が異なります。ここではその一部をご紹介します。
問題焦点型コーピング
問題焦点コーピングとは、ストレッサーを排除し、根本的な解決を図ろうとするアプローチの仕方です。例えば、「担当業務が合わない」「上司と折り合いが悪い」という場合、担当業務の変更や配置転換を行うことによって、ストレスを感じなくても済むようになります。
認知的再評価型コーピング
認知的再評価型コーピングとは、ストレッサーに対する認識を改め、ストレッサーを前向きに受け止める方法です。例えば、小言の多い上司に対しては、「厳しい上司がいることで、自分の成長につながる」とポジティブに捉える視点、発想を持つことで、ストレスの緩和につながります。
気晴らし型コーピング
ため込んだストレスを外へ追い出す方法が、気晴らし型コーピングです。趣味の活動や気の合う仲間との食事、カラオケ、旅行、運動など、ストレス発散に役立つ方法を積極的に取り入れることで、気持ちをリフレッシュできます。
おわりに
今回はストレスコーピングについてご紹介しました。仕事にストレスはつきものです。ストレスを完全になくすことはできないため、ストレスとの付き合い方を知ることが重要になってきます。部下にストレスへの対処法を教え、ストレスを抱え込まない環境づくりに取り組みましょう。